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腐率低&懐古オタク仕様・なんでも専用。
自分の画力や表現力や漫画力やそもそも「才能」のなさに肩を落とす

いや才能があればそもそも素人のままではいない訳だが。

原稿の修羅場をひとつ抜ける度に、自分の力の無さに凹みます。
その凹みは確実に、昔よりも深く、大きく、多くなっていると感じます。原因も判っています。それは「年齢」です。

10代の頃は「天才!」といわれた。
20代の頃には「凄いね!」といわれた。
なら、30代は?

今の自分の年齢で、これくらいの作品が描ける人はごまんといます。
いや確実に自分よりも遙かに若い作家さん達の方が上手く、魅力のある絵を描き、作品を生み出せる力を持っていると感じます。

そして独り凹む訳です。(笑)


25歳を過ぎると所謂「伸びしろ」がなくなると良く言われます。
その年齢より若かった頃は「そんな事ないだろ、本人が努力していれば幾つになっても技術はついていくし良い作品が描けるよ。出来なくなるのは本人の努力不足だよ」と楽観的に考えていました。
確かに努力不足な部分もあるとは思いますが、どうしようもない部分で限界がくる事を、自分がその年齢になり、越えた時に思い知るのです。


ついでにもうひとつ、個人的に物凄く引き摺っているコンプレックスがあります。まぁここからはホントに個人的なものなので「→続く」で。
私の絵柄は所謂「可愛い」「少女漫画」「萌え」系です。
最初に模写したお手本が「クリィミーマミ」「ミンキーモモ」を筆頭に80年代魔女っ子ものだったので、完全に染み付いてしまっているのですね。どうせなら高田明美の圧倒的な画力(デッサン力)も模写出来ればよかったのですが、それだけの力は私にはありませんでした。

絵柄は可愛い系な私の描く漫画ですが、もうひとつのお手本が水木しげるだったんですよね。まぁ…真逆、ですよね。水木漫画からは絵柄そのものよりも世界観とか、妖怪物の怪不思議なものに対する心の在り様とか、そういうものが自分の中に刻み込まれました。
今考えると「魔女っ子」も「妖怪」もどちらも「不思議なもの」カテゴリーなのかもしれませんね。確かに子供の頃から不思議なものは大好きでした。今も大好きです。あまり詳しくはないけど。


で。
絵柄は魔女っ子から。
作風、世界観は水木漫画から。
影響を受けるとどんな漫画作品が出来るでしょう。

…極めてしまえば新しい領域に到達出来るかもしれませんが、なかなか微妙なモノが出来上がってしまいました。
旨くいけば今の作品で言えばそうだなぁ…例えるのもおこがましいですが「地獄少女」みたいな感じにもなれたのかもしれませんが、あれは可愛いけれど退廃的な空気がありますよね。あれが、私にはない。元が魔女っ子だからキャラが健康的すぎる。(笑)
それならばと内容に合わせて絵柄を怖くするにも、あまりに魔女っ子が染み付きすぎて変えられない。どうにも旨くないんですよ。中途半端なものになってしまったというか。どっちつかずというか。


まぁ、趣味で素人の範囲で描いている分には別にそれでも良かったんですが、こんな私でも一時期ちょっとお仕事にしようかどうしようかなんて時期があったんですね。
その時に散々言われたんですよ。

「あんたの絵は悪くない。可愛いしウケもいい。ただ、内容がダメだ。ただダメなんじゃなくてせっかく武器になる可愛い絵柄が全く生かされていない。もっと可愛い絵柄にあった、可愛い話を描きなさい」


言われる意味も判ります。
自分の売りをもっと前面に押し出した方が良いよ、というのは間違いなく私のためにしてくれる有効なアドバイスでした。
その時期、絵柄はもっと可愛く、デフォルメを強く、ギリギリ不快にならない限界を様子みながら萌え絵を模索してみました。
そして内容は明るく、可愛く、後味の悪くないよう、皆楽しくハッピーに!と試行錯誤もしてみました。

元々魔女っ子が大好きだったので、ちっとも苦ではなかったのですが…やっぱり「自分の描きたいもの」とのズレに挫けてしまいました。



大体、仕事で自分の描きたいものをそのまま描いて評価を貰える訳ないのですが。むしろ当然というか、アドバイスどおりに描いた「明るく可愛い」作品の方が非常に評判はよかったです。それがまた、挫けてしまう要因になってしまって。

この心の弱さではとてもプロとして仕事は出来ないなぁ、と感じて脱落しました。いわば負け犬です。今でも思い出すと悔しいです。自分の力のなさと弱さに。



しかもこの一件は未だに尾を引いていて。
今はもう同人なんだから好きに描いてもいいのに、それでも「どこの誰かもわからない誰かの視線」を気にして、「あるかどうかもわからない評価」を気にして、「無難な作品」「当たり障りのない作品」「でも可愛い楽しい作品」を描いてしまうんですね。

そしてまだ自己嫌悪。


その上で自分よりも遙かに才能のある若い作家さん達の作品を見て絶望する。もう独り勝手に絶望ループ状態。


昔の自分は何故、ああも自分に自信満々だったんだろう。
何故、ああも向こう見ずに無茶が出来たんだろう。
若さってきっとそういう事なんだ。



そしてまた凹む。
この泥沼から何とかして抜け出したいと足掻く日々。

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ものすごく共感出来ます。
文章から苦悩が伝わってくるようです。

とは言っても解決策は私にもわからない
むしろ教えて欲しいくらいなんですがw
ある程度年をとったら気が楽になるんじゃ?
と無根拠に思い込んでいたのですが
年取ってもちっとも楽になりません。
もしかしたらずっと続く道なのかもしれません
苦悩しているうちはまだ大丈夫

夜沙様、コメントありがとうございます。

「昔はチヤホヤされたけれど、今はもっと若い才能ある子が沢山出てきてちっともオイシイ思いが出来ないワ!ムキー!」な内容ですが、一定の年齢でそれなりの創作活動をしてきた方には響くエントリーだったかな、と思います。(うわぁ笑えないー)

一応、自分なりの解決策は見つけています。
「これでいいんだ」と思えるレベルを常に維持出来る努力をする事です。
それは自信でもあり完成度であり実力でもあります。
今の年齢の自分が見て、今の自分に生み出せる精一杯がこれなんだ、というものを怠けず、サボらず、100%出す事が出来たなら、それでもういいのではないかと。ちなみに私はまだ100%を出す事が出来ていません。仕事だったり環境だったり、そして年齢だったりを言い訳にしてしまっています。だから100%を出せていない自分に対して歯痒く、絶望するのだと思っています。


>ある程度年をとったら気が楽になるんじゃ?
>と無根拠に思い込んでいたのですが
>年取ってもちっとも楽になりません。

若い子含め世の才能溢れる作家全員に嫉妬し、絶望出来るうちはまだ大丈夫だと。対抗心、敵対心、見てろ自分だって負けないぜ!…な気持ちを失った時こそ、作家としての魂が死んだ時だと私は考えています。

私の周囲に意外な人数いるんです。
自分はもうそれなりの年齢だし若い層にアピール出来るものは描けないから、自分と同年齢同世代の人(友達、内輪含む)が共感してくれるものが描けたらそれでいい、って人。同人は趣味ですし同世代の仲間を探すという意味で良い選択肢だとは思いますが、ただ年齢を「逃げ」や「諦め」にしてしまうのは嫌ですね。間違いなく楽になれるんですがね、諦めると。

どうせなら「同世代も若い世代も纏めて萌え悶えさせてやるぜ!」くらい言いたいものです。
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田舎在住、旧時代のオタク。
コロナでアクティブオタクを続けていく事を半ば諦めかけていた所に、遂に家族の介護イベント発生。生き残りたい。
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