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腐率低&懐古オタク仕様・なんでも専用。
コスプレに関する素朴なたったひとつの疑問に私的答えを考えてみる

コスプレに関する素朴なたったひとつの疑問(はてな匿名ダイアリー)


コスプレしていなかった頃、私もそう思っていた時期がありました。
ちょっと誇張しました。でもこの気持ちは判らなくもない。
で、現在同人誌も作るし、一応芸術学部デザイン学科卒業していて、洋裁免許持ちの母にレクチャーされながらコスプレ衣装自作もやってる身でこのエントリについて考えてみると「現在のコスプレ事情」なんかが見えてくるかもしれない…と思ってみた次第。
引用しまくりです。すみません。ついでに、相変わらず書きっぱなしです。

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レイヤーの人は基本的にオタですよね。
そしてわざわざコスプレするくらいなので、たいていその元ネタ作品に深い愛情を持っているはずですよね。
だとしたら、深い愛情を注ぎ、オタ魂を発揮して、衣装にも気合い入れるんじゃないんでしょうか。
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同じ扱いにされると不快感を示す作家さんも多いですが、コスプレの安っぽさ=ヘタレっぷりは、同人誌のクオリティと同じです。同じ印刷屋の同じフェアのセットを利用して作った本なのに、凄く豪華に見える本もあればイケてなくて地味な本もあるでしょう?
深い愛情があれば、溢れるオタ魂があれば、気合いさえ込めれば、誰もが神同人誌を作れる訳ではないようにコスプレもまた同様であるだけだと思います。
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ドンキとかに売ってるような、出来合いの安物だったらまだ分かるんですが、
自分で針子さんして作ってるようなものも安っぽい。
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自分で針子さんしているからこそ安っぽいのだと考えてみては?
昨今、学校で家庭科が必須ではなくなっているらしいので針に糸通す所から試行錯誤です。素人がチクチク縫って作った服なんて、コスプレ衣装でなくてもなかなか実用に耐えうるレベルでは作れませんよー。
ちなみに普通の服と同じ感覚でコスプレ衣装を作ると確実に失敗します。洋裁の基本に忠実に型紙を作ると恐ろしく地味になって、設定とは似ても似つかないラインの衣装になってしまいます。例え洋裁知識と技術があっても綺麗かつ設定どおりのイメージなコスプレ衣装は出来ないのです。
90%以上のお手製衣装は「良く出来たオカンアートレベル」で当然ではないでしょうか?

まぁ、それでも時間を掛ければ何とかなるかも。しれませんが。
ここからはちょっと世知辛い話になりますが、コスプレという道楽は一種「旬」というものがあります。コスプレの旬は同人誌の旬の比ではありません。今夏大量発生したジャンルのコスプレが、今秋に夏程いるかと言われると微妙です。(ジャンルにもよりますが…続編決まってるとか)
「体現する」道楽である性質上、ある程度の「スピード」を要求します。

誰が。自分が。
今、やりたい。今を逃すと今持ってる熱が醒めちゃう。
だから多少出来が悪くても未完成でも着ちゃう、出来合いのチャイナサークル衣装がヤフオクに出品されてたら買っちゃう。今すぐ必要だから!


…同人作家の突貫コピー本みたいなノリですかね。
コッチは割とその意気や良し的に賛美されがちな気がしないでもない。スペース製本&時限販売さえしなければ。

それ、単に今流行ってるからやりたいだけで作品やキャラに対する愛情とか全く無いんじゃね?と思われがちですが…何となくですけど、コスプレイヤーの中で「今やりたいキャラ」と「一生掛けてやりたいキャラ]と「何年掛かってでも納得いく出来映えの衣装を作り続けたいキャラ」とが存在するように思います。少なくとも私周辺のコスプレさんは皆そんな感じ。

そんでもって、「今やりたいキャラ」に愛が薄い訳でもない。
今その作品にキャラに熱いのは紛れも無い真実。一度誓った愛は永遠に誓わないとオタク失格?…そんな事はないでしょう。コスプレしなくなっても、同人誌作らなくなっても、買わなくなっても、DVD観返す事がなくなっても、その作品について熱く語る事がなくなっても、その時の愛情は確かなはず。「今やりたいキャラ」がもしかすると「一生掛けてやりたいキャラ」になるかもしれない。
ジャンルブームが去ってイベントでほとんどそのコスプレを見かけなくなって、何年も経ってからふと「あの頃技術も資金もなくて出来の悪い衣装でやってしまったコスプレを、今の技術と資金でもう一度やりたい」と思い立つ事だってあったり。するんですよ。
最近妙に90年代作品のコスプレを見かけたりするのにはそういう事情、あると思います。
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基本的にテカテカな素材ばっかり。おもちゃ然としてるというか。ツヤ消しスプレーしたくなるっていう。
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だって実際テレビ(モニタ)越しに見る彼らの衣装ってテカってるんだもん。
…それは半分本気として、テカテカ=多分サテン地を指しているのかな?

リアルな話をすると、設定と同じor似た色を探すとサテンかブロードまたはツイルの二択になる事が多いんですよね。
生地の素材感よりも色を優先した結果、と思ってみればいいかと。最近は設定と異なる色をわざと選んで個別化を計る、という不思議な流れもあるにはありますが…

実際、自分で衣装を作るようになってからイメージどおりの色の生地が本当に入手出来なくて困ります。ただでさえ田舎在住なのでね…日暮里に通える範囲に住んでいる人が羨ましい。ハンズすらないのでライオンボードも通販です。キツイ。
コスパとかの衣装はおそらく生地の染色からやってるんじゃないかなぁ…あの衣装と同じ生地が欲しい!と何度も思った事が。少数ながら個人で生地の染色からやる強者も存在しますね…。
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あまつさえ、コストを掛けないことが美徳、みたいな風潮もあったり(要出典)。
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ホントに。<要出典。
でもコレはあるかもしれませんねー。
でも正確には「買ったりオーダーしたら〜〜円するのを自作で〜円に抑えた」というか、(貧乏という事情もあったとしても)「愛で自作した」という部分を美徳としている感じではないかと。
コスプレは、どんなにヘボでもヘタレでもサテンの安っぽい衣装でも、「自作>>>セミオーダー(ヤフオク出品含む)>フルオーダー」という風潮が色濃いです。個人的にはこの風潮は嫌いです。

…中には「リサイクルorチャイナサークルで〜円でゲットした☆超安☆」と自慢しているコスプレさんもいるかもしれませんが、それはちっとも美徳ではありませんので。
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これってオタ的に言ったら、限定版はアホくさいから通常版買うよねーみたいなノリだと思うんですよ。
オタコミュニティで「金がないから通常版買ったわw」なんて言ったら、袋だたきに遭いそうな気がします。
オタなのにそういうのにこだわらないのはなぜなんでしょう。
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違うよ。全然違うよ。
企業や衣装サークル製買うのアホくさいから自作するよねー、みたいなノリはあるけどね!
(値段的な理由半分。単に自作したい半分)

大体、出来の良くて高い方=限定版、出来の悪くて安い方=通常版、というつもりでの例えでしょうけど。そもそもそんな区別はありません。どちらも同じ「コスプレ衣装」です。高ければ出来が必ずいいとは限らない世界なのです。そもそも「出来が良い」というのも個人的主観差の生じる話ですし。

少々極端例になりますが。
仮に同じキャラの衣装が2サークルから販売されているとします。

一方は薄手の生地で、悪く言えばペラペラで形崩れしてる風な印象。でも安い。
もう一方は厚手の生地で、悪く言えばシルエットが堅く重い印象。やや高額。
(多分、衣装(衣服)として見ればやや高額の衣装の方が上)

値段を見ずに、どちらがより自分のイメージに近いかと考えた時、必ずしもやや高額の衣装の方ではないのです。コスプレさん自身が、その衣装に薄手の生地で、軽やかに翻るようなイメージを持っていれば多分ペラペラの安い衣装を購入すると思います。
まぁ、かたや1万未満、かたや30万越えの同じ衣装とまでいけばクオリティ差は歴然かもしれませんが…それでも「30万越え衣装=出来が良い=限定版」という世界ではないのです。

更に、コスプレはここに「自作衣装」という選択肢が存在します。
ここで「自作>>>セミオーダー(ヤフオク出品含む)>フルオーダー」という風潮の法則発動。

シルエットが堅いけれど衣装としての出来は綺麗でやや値の張る衣装よりも、ややペラくて形崩れ気味だけどイメージには近くてリーズナブルな衣装よりも、自分でチクチク縫った素材も安ければ技術も安い、へにゃちょこの自作衣装の方がやっぱり愛情がこもってるから!…とへにゃちょこ衣装を着用する事を選択するコスプレさんもいるのです。それも結構大多数。

だってそれを美徳とする風潮があ(ry
勿論、よっぽど特殊パーツを多様する衣装でない限り人件費タダなので、自作が一番安上がり。


…後、コスプレ道楽には「クオリティを高める」方向だけでなく、所謂文化祭のハッピ仮装的な「お祭り感覚で仮装して同じ作品好きな者同士でワイワイ楽しむ」方向の性質があります。
外から眺めているだけの人からしてみれば、クオリティの高いコスプレだけを見たいと感じるでしょうが、交流目的主体のコスプレさんには「衣装や自分のコスプレクオリティ」に関してはあまり頓着無い人もいます。ギリギリ「そのキャラのコスプレをしている」事が判ればそれでいいのです。そこに必要以上に金額突っ込む必要は無いですし、それは決して悪い事ではないと思います。

同人作家だって似たように「同人活動している事」が楽しくて「交流」目的の人がいますよね。
とりあえずサークル参加するために一夜漬けで修羅場っぽい事をして原稿らしいものを描いて、形だけのコピー誌を5部とか作って、それ一種持ってイベント参加して、当日お隣サークルさんとお話したりスペース前通りがかった人とお話したりするのが楽しくて、イベント後はお友達や当日知り合った人と打ち上げ行って…みたいな。
「作家活動」としてはどうよコレ、な状態でも、本人が楽しく活動しているならOKでしょう。
コスプレも、きっと、そんな感じ。


ちなみに。
わざわざ「金がないから〜」とか言う人は、ちっとも美徳ではないので、ちゃんと(?)コスプレさんコミュニティ内で陰口叩かれますよ。もしくは同じくお金の無い人同士で集まって「そうよね〜私もお金なくてぇ〜」と群れています。


クオリティとか求めてるのは、実は外から見ているだけの第三者だけかもしれませんね。
コスプレに限らず。






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と、長々書き飛ばしましたが、こちらのエントリを読むだけでOK。
簡潔明快な答えに目ウロコ。

E.L.H. Electric Lover Hinagikuさん
コスプレに関する素朴なたったひとつの真理


なんつーか、コスプレにはコスプレの文法みたいなものが存在しているんですよ。
それを外からやれ「衣装安っぽい」「ヘタレ」「デブス」「ビジュアルメイクキモイ」「厚底格好悪い」とまぁ、携帯小説にゴチャゴチャ言うてるのと大差ないですよ。


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【10月24日:補足】
充分ねちこいテキストなのに、更に追記テキストを書いてしまいました…。
まだ読む気力と暇を持て余している方は是非。キモさ増量です。

◆ そもそも前提がすれ違っているのかもしれない

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コロナでアクティブオタクを続けていく事を半ば諦めかけていた所に、遂に家族の介護イベント発生。生き残りたい。
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