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本来、同人誌の価格決定権はそれを制作した同人作家にあるのですで、「コミケ(同人誌即売会)で同人誌を値切る行為」についてのエントリをリンク&個人的感想をアップした所、幾つかのブログやサイトさんで紹介して頂いたみたいです。ありがとうございます。そして見に来てくださった方もありがとうございます。恐ろしい勢いでカウンターが回っています。ひぃぃ。
で、発端?となったエントリに追加テキストがどっさり更新されていたので改めて纏めてリンクを張ってみます。
【発端?】
FANTA-G さん
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同人誌を値切らないで!【反響?を受けての追加テキスト】
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そもそも値切り方が間違っている!>続・同人誌を値切らないで ・
素人の値切りとプロの値切り・
買い手によって高くされてもOK?続々:同人誌を値切らないで!んー…発端となったエントリを書かれたFAM5220さんの考え方に概ね賛同したい、というか共感は出来るかなぁ、といった感じです。そうでなければわざわざトラックバックを打って自分のブログで話題にしたりしませんし。
ですが、これって結局「いち作家=サークル側の個人的感情」にすぎないんですよね。
しかもこれ
「オレが値切り交渉されて対応に困った、値切られるのは嫌だ悲しい」じゃなく
「値切り交渉されている光景を見た、サークルが困っているようだった(←主観的意見)、値切り行為はおかしい」って内容だったのがちょっといけなかった。
結局エントリを書いたFAM5220さん自身も第三者的立場のため、実際の当事者事情は判らないんですよね。だからコメント欄が混乱してしまった。
実際、コメント欄にも「値引き交渉OK!なサークルもある」という意見がありましたし実際そういうサークルを見た事があります。非常に嬉々として一般さんと値引き交渉を繰り広げていました。あれは楽しそうでした。
でも、今回の発端エントリの値切り光景や私が過去見かけた楽しそうな値引き交渉光景は詳細というか、当事者の背景が全く判りません。前者は全く面識の無いサークル側にとって通りすがりの相手だったのかもしれません。後者はずっとそのサークルの本を買いにきていて作家と面識もあり気心知れた相手だったのかもしれません。
「コミュニケーション」という言葉を持ち出してくるような、人と人との感情の問題が絡んでくる事なので、杓子定規にはかれる話でもないんですよね。そもそも。
しみったれ作家の私でさえ、常連さんには別にその人用に用意した本(本プラスおまけや手紙などを袋に入れていたり)を準備して、その人がスペースに来てくれるのを待っていたりする事がありますし。そして差し入れと共に現れた常連さんに「差し入れと交換で差し上げます、どうぞ!」と用意してあった新刊入りの袋を渡したり。
(タダでどうぞ、というとこういう人に限ってお金払います!と言うので「では差し入れと交換という事で…」という流れにしないと受け取ってくれないのです。お金なんていいから貴方に読んで貰いたいの!という人に限ってそうなんだ。自分の作った本に価値を認めてくれているんだと思うと凄く嬉しいんだけど難しいなぁ。笑)
それは、その常連さんと今まで築き上げてきた関係や、コミュニケーションがあって成立している事なので、それを隣で見ていた見知らぬ誰かに突然「私も差し入れあげますから本ください」と言って来られても困っちゃいます、ゴメンナサイね☆…という結果になってしまいます。
あと、驚いたのですが「コミケ初期は値引き交渉が半ば常識だった」という意見。へぇーそうなんだー。
でも、それって昔の話ですよね。特定のコメントを取り上げるのはどうかな、とは思いますが
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同人誌を値切らないで!のコメント欄、imiteさんのコメント「 シンプルに考えると」に最も共感、賛同したいと思いました。
後は、一応サークル側も値切りに限らず、突然面識の無い参加者から無理難題をふっかけられた時に冷静且つ的確な対応を取れるように心準備をしておく事も大切だな、と。
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【ここから更にどうでもいい個人的つぶやき】
コミケの劣悪な環境で面識ない人が突然値切りに来たら「帰れ!」と思いますが、運良く?スペースが暇でしょうがない時に来たら相手して質問責めにするかもしれません。
どうして値切ろうと思ったの?
サークルが提示している頒価分の価値がないと思ったの?
提示頒価分の価値がないと思ったにも関わらず何故わざわざ値切ってまで入手したいと思って交渉してきたの?
貴方が提示した頒価分の価値ならあると思ったの?
ではその根拠は?
私がそれを聞いて納得出来れば貴方の提示する値引きに応じましょう。
絶対納得しませんけどね!…あぁでも、それ全部本当にスペース前で語り始められたらやっぱり鬱陶しいから、やめておきます。両隣のスペースにも迷惑かかっちゃう。(笑)
昔はこういう事をやりとりするのがコミュニケーションで常識で楽しかったのかもしれませんね。良い意味で気持ちに余裕があったのかも。
でも、それって昔の話ですよね。-----------------------------------------
【更に更にどうでもいい個人的つぶやき】
同人誌を求める側が「値引きを求める行為は一切ダメ!」とは思わないです。
ただ、アレだ、こういうのこそ空気読めというか、相手を見ろというか、ちょっと交渉を持ちかけてみて即サークルの顔色が変わったり「お断りです」と言われたら粘らず引くとか、サークルも嫌なら一刀両断で断ろうとか、そういう。
サークル側にも稀に妙な販売方法を取る所があります(ありました)し。
売り子にジャンケンで勝たないと売ってもらえないとか。
売り子が出題するクイズに正解しないと売ってもらえないとか。
合言葉を言わないと新刊を出してきてもらえないとか。
あー…今ふと思ったんですが、昔のイベントって「今日1日、完全燃焼で楽しもう!」みたいな空気だったけど、今のイベントって「次回は●●●に参加します~、新刊は数日後に書店でも取り扱いされます~」みたいに、今日の出来事と頒布物は次回に持ち越されるというか、続くんですよね。
「次」がいつあるのか、あってもずっと先だったり参加出来るかも判らないなら在庫を抱えていても仕方が無い、ならば今日持って来た本を完売させる事を優先しよう=値引き交渉を持ちかけられたら応じよう&イベント終了間際に一斉値引きしてしまおう=完売!といった活動だったのでは?
今ならコミケ以外にも毎週のようにイベントは開催されているし、通販もあるし、書店委託もあるし、売れ残りを持ち帰るのだって宅配搬入出のなかった時代とは違って別に1冊2冊値引かなかったせいで持ち帰り数が増えてもちっとも辛くないし。
それなら次回のイベントにまた持っていけばいいんだし、値切ってくる人じゃなくてこちらが提示した頒価で求めてくれる人の手に渡るかもしれないし。
「かもしれない」ばっかりですが、少なくとも私は「私が自分の作品につけた価値=頒価で読んでくれる人」が一番嬉しいです。なので、その人達が私の本の入手対価面で「損」をする事になっては嫌なので同条件の場合原則値引きはしたくないという考え方です。値切られてもいいから1人でも多くの人に読んで貰いたい!という気持ちなら、私含めほとんどのサークルは最初から無料配布本にしていますよ。タダ配りにしていても減らない本もありますけどね…。
コミケ初期の場の雰囲気=完売万歳!値切り&叩き売り楽しい!のフリーマーケットだったんでしょうね。
本の発行部数も少ないし、印刷屋発注のオフセットも珍しくほとんどが手製のコピー誌で手作り感溢れていたでしょうし。値踏みしあい交渉しあう余裕のある人数の、極小規模なコミュニティーだったでしょうし。
昔の方がいいとか、今の方がいいとか、そういう話じゃないですよね。
いくら昔を懐かしんでみても昔は昔、あの時代はもう戻って来ませんよ、と。おばちゃんはそう思います。