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腐率低&懐古オタク仕様・なんでも専用。
『二次元美少女タレントプロダクションシステム』は萌えおこしで成立するか?

こちらのテキスト2点の続き…です。
出町商店街マスコットガール『加茂川マコト』騒動:経緯まとめ
『加茂川マコト』騒動:「萌えおこし」の悲しい失敗例にならないために





最近の『萌えおこし』はもう、ちょっとオタク受けしそうな美少女キャラ使ってグッズや土産物作ったらチョロイ☆…なんて甘い商売ではなくなりましたね。それだけ経済&人口減少に困ってる地方が多いという現実、縋る想いで『萌えおこし』を始めて、それがまた微妙に成果出ちゃったりするもんだから、もう飽和状態というか。




そんな飽和状態の中、2011年6月に発足したのが『ことまきプロジェクト』。

他所の萌えおこしとは違う点、それは
「二次元美少女タレントプロダクション」システムである事。


キャラクター使用の基本諸条件」を見ると

・ことまきプロジェクトのキャラクターは原則レンタル商品の扱い
・クライアント様専属キャラクターを作成した場合においても
 著作権は製作者またはことまきプロジェクトとします

…なんですね。

『加茂川マコト騒動』の際、「加茂川マコトを育ててきたのは商店街なのに…」という意見を沢山見かけましたが、商店街が育ての親だとすればことまきPは生みの親、そして契約上生みの親の方が強いんですね。(それに商店街に預けっぱなした訳じゃないし…スタンプラリーとか叡山電鉄とのコラボとかデカイ企画通して、商店街と力合わせて準備に打ち合わせに頑張ったと思うんですよ)
また「後から”実は加茂川マコトはことまきP所属アイドルでした”なんて言われても納得出来ない」という意見も見かけましたが、マコトちゃんに限らずことまきPが生んだキャラクターは全員、最初から「ことまきP所属の二次元タレント」なんですね。別に『ことまき専用 加茂川マコト』を生むために追加した後付け設定、という訳ではないのです。

ことまきプロジェクト所属2次元タレントたち (2012-06-21)
”それと実は「加茂川マコト」はことまきプロジェクト所属の2次元タレントなんですよ。知ってました?今は出町商店街さん専属でPRする仕事をしていると言ったところでしょうか。”

『加茂川マコト』だけは、ことまきPから出町商店街に萌えおこしを提案して、商店街の要望が盛り込まれて生まれたキャラクターなので服装・口癖・好きな食べ物等、いかにも”商店街の看板娘”な設定になっていますが、ことまきPメインキャラの三姉妹等は、良く言えば無色、悪く言えば無個性。ひと目見て記憶に残る様な突出した特徴設定がありません。それは特定クライアントの要望に合わせて作られたキャラクターではないからです。(※必ずしも悪い事では無いんですよ。強すぎないので色んな使い方が出来る利点はあります)

基本的に、先にそれっぽい可愛い萌えキャラを沢山作っておいて、萌えキャラを欲しているクライアントに「いいなと思った子を選んでください」「気に入った子がいなかったらご要望に合わせた子も作りますよ」とマッチングさせていくスタイルなんですね。

この点が珍しいというか、…二次元キャラの萌えおこし的に違和感というか。

要するに、
二次元キャラクターだけど扱い方は三次元=実在のタレントと同じ、という事。




実は、他にも似たスタイルの所はあるんです。

AGC38公式サイト(2010年10月正式オープン)
…あー、AKB48フォーマットまんまデスネー。
About AGC38

"『AGC38』プロジェクトは、完全描き下ろし美少女キャラクター38人によるタレント事業です。"
"彼女達は、生身のタレントさんと同じ様に出演・使用依頼を頂き、クライアント様のご要望にそってお仕事をさせて頂きます。"

"1からデザインを起こし、高いデザイン費用を捻出する必要がありませんので、大幅なコストカットと制作時間の削減が可能 となるのです。"

"キャラクター利用の最大のメリットは、彼女達は、我が儘を言うことも、歳をとることも、スキャンダルを起こさないという点にあります。"

(……直球すぎていっそ清々しい!)
(こういうぶっちゃけっぷり、嫌いじゃない。むしろ好きです)




で。改めて考えてみたんですよ。
「町おこしに萌えキャラを使うメリットって何?」って。
これは「萌え」に限らず、ゆるキャラ等、実在しない架空のキャラクター全般にも言える事だと思いますが。

「我が儘をいわない」
→ うん、まぁ基本的には。我が儘キャラ、という設定づけしなければ。

「歳をとらない」
→ これは超メリット。いつでもメイク・髪型・衣装バッチリ☆

「スキャンダルを起こさない」
→ ………。
(Twitter担当の中の人騒動ってスキャンダルではないかなぁ)
(ゆるキャラでも「まんべくん」とか…)
(後、直接中の人でなくても声優起用していて担当声優さんが、とかもあるよね)


でも、個人的にこれらよりも重要だと思っているポイントがあります。
それは、

「そのキャラを独占利用出来る事」。

チラシポスターに萌えキャラ、とか単発利用ならいいんですよ別に。
年単位で長期利用のイメージ&キャンペーン&マスコットガールレベルになると、独占契約必要じゃないですか。三次元のアイドルやタレントでも、特定企業と契約中は、競合企業のCM出演はNGとかそういうのありますよね?じゃないと後で揉めたりするでしょ。

おそらく出町商店街のマスコットガールが「ことまき三姉妹」のどれかであったら、あの混乱も無かったと思います。「ことまき三姉妹」は、最初に生まれた、ことまきPのシンボル的位置づけだと思われます(”ことまき”の名を冠してます)。商店街への萌えおこし提案より先に生まれていたキャラクターですから、普通にタレント斡旋の形で契約も進められますし。
彼女達なら「ことまきPの所属タレント」と「商店街の看板娘(タレントの仕事のひとつ)」のイメージを両立させる事も可能だったと思います。

では、何故わざわざ新しく『加茂川マコト』を作ったのか?
ことまきPがプロジェクトシンボルキャラクターに特定地域の「色」が付くのを嫌がったから?(あぁ、でもそれもあるかもしれません…)もう推測どころか妄想、邪推の粋なのは自覚の上で続けますが、


「商店街側が、商店街オリジナルのキャラクターを欲しがったから」


…じゃないかな、と思います。
だって、どうせなら商店街にちなんだ設定がふんだんに盛り込まれた、商店街のために生まれた子がいいじゃないですか。だから商店街の方も一緒に名前を考えたり、「”鯖を振り回すような(元気な)子”がいい」とかリクエストしたんでしょう。

大体「既に出来上がってる萌えデザインから選べば安上がり」とか、判ってないオッサンの思考です。そんなんで選んでマスコットガールにしたり名産品パッケージにしたりして、印象良い訳ないじゃないですか…(まぁ、嗅覚鋭いオタク紳士の皆さんのウケは悪くても、萌え絵があれば「わーかわいいねー」と思う程度の一般人の皆さんのウケがよければOK。という商売もありですけれどね…)


纏まらないキモい長文垂れ流して申し訳なさ一杯ですが
もうキモさMAXのまま語りますけど、

萌えおこしの萌えキャラっていうのは
「地域の名前を背負う」ために生まれてくる存在なんですよ。


「地域の名前を背負わない」萌えおこしの
萌えキャラなんて成立しないんですよ。



この辺りはもう「萌えキャラ」に限った話じゃないです。
町おこしのために起用される全てのキャラクターに言える事だと思います。

『加茂川マコト』という商店街のマスコットガールのファンになった人達のほとんどは、「商店街のマコトちゃん」のファンになってるんです。当たり前ですけど。…ことまきPが生んだ事は情報として知ってはいても、商店街の子なんですよ。

商店街のために生まれた子なんですから。
そういう風に1年間活動してきた=売ってきたんですから。


だから、ファンが混乱したんです。
「別Ver.にしたんだからいいじゃないか」じゃないんです。

「加茂川マコト」という名前、姿etc…現時点では「商店街専用」
なんです。だからわざわざ別Ver.は『ことまき専用 』を名乗ってるんでしょう?

だから、『リアル加茂川マコト』ちゃんを商店街の名前を出さずに外でも活躍させる、というのがどれだけ無理ゲーか、というのが判るというものなんです…。『リアル』がそもそも「商店街ver.」のリアル版的ポジションで誕生したのに、別Ver.にすれば1年かけて育てたキャラクターと切り離せると思うのがおかしい。ですよ。(まぁ、まだ1年程度だから今からキャラ設定&イメージを上書き出来る、と前向きに考えるのもアリですけど…)




似た様なシステムの『AGC38』が『加茂川マコト騒動』の様な事になっていないのは、ことまきPのように「依頼に合わせてオリジナルデザイン」を請けていないからです。
AGC38』は『AKB48の模倣、三次元アイドルを二次元にした ”だけ” のコンテンツ』なんですね。そもそも企画・運営が『株式会社旭プロダクション』というアニメ、CG、WEBプロモーションを専門にしている会社で、自社コンテンツ作成のノウハウがあります。『AGC38』でも、一応「出演・使用依頼の募集」はしていますがオープンと同時にモバイルコンテンツ配信、CDデビュー、PV作成、ラジオドラマ等、通常のアイドルと全く同じ路線で活動展開し、自力でファン層を獲得しています。よくも悪くも「三次元が二次元になっただけの”ふつーのアイドルグループ”」なので、地域のために町おこしとか地域貢献とか、そういうのが全くありません。

今後『AGC38』を「萌えおこしのキャンペーンガールに器用したい!」という地域が現れても、『加茂川マコト』の様なトラブルは起こらないと思います。既に二次元アイドルとしてのキャラクターが確立しているので、今までどおりの活動に追加して「(”仕事”としての)キャンペーンガール」と見て貰えるからです。




面白い試みだとは思うんです。
実際、凄い可能性を秘めたシステムだと思っていたので注目していたんです。

『加茂川マコト』ちゃんの件がどう決着付くのかは、もうことまきPと商店街で話し合うしかないと思うので、それを見守ろうと思いますが。今後です。もし、また同じ様にどこかの地域や商店街から「ウチにもマスコットガールを!」…という依頼を請ける事になった時、また同じ様な方法で宣伝活動をすると同じ失敗をしてしまうでしょう。


『二次元美少女タレントプロダクションシステム』を「萌えおこし」で巧く活用するためには、特定地域の萌えおこしのために新規で作られたキャラクターであっても、最初から「この子は"●●●●所属タレント"です」という事をしっかり認知させながら活動しなければいけないのです。「タレント」なんですから。
三次元新人アイドルでも1日駅長とかやりながら「ホ○プロスカウトキャラバングランプリの〜〜です☆」…って最初は売り込むじゃないですか。同じですよ。所属先を明確にしてあるから一日駅長しながら、歌番組やライブにも出演出来るし、サイン会だって同時進行でやれるんですよ。
その辺りを、依頼先の地域や商店街と細かく相談して方針を詰めて、キャラクター人気が上がる事によって依頼先とプロダクション両方の知名度も上がる、という形にしないと、損でしょう?


…現状、ことまきPが一方的に加害者に見られてると思うんですよ…
(『出町Ver.加茂川マコト』ちゃんのファンから)

「商店街はあんなに頑張ってるのに!」…みたいな、ね。
いや本当に凄い頑張ってるんですけど商店街。自作の垂幕とかイラスト飾ったりね。お店ごとにコラボ商品作ったりね。イベントもやったりね。商店街には実際に訪れた人達と直接触れ合う分、情も沸きますし心通じ合わせられる強みがあるのでね。
でも、その商店街の活動を大きく外から支えて、でっかいイベントを企画・運営しているのは間違いなく「ことまきP」のはずです。でも、その支える姿がどうしても見え辛いんですよね…


おかしな言い方になってしまいますけど。
『ことまきプロジェクト』の名前も、しっかり売らないと。


で、勿体ないとは思うけれど、依頼に合わせて生まれて萌えおこしマスコットガールになった子は、独占契約という形で他には使い回さない(引退扱いで、サイトのタレント名簿に「実績」として残す形にする)を徹底した方がキャラクターの価値も上がると思うんですよねぇ…。




引き金は明らかに『リアル加茂川マコト』ちゃんの処遇。
「外でも活躍出来る機会を〜」というのが、どうしてこうなった、という。
…商店街側は、あまり深く意味を考えずに言っちゃったんではないかなぁ…ホント、萌えおこしキャラクターとしては有り得ない話ですよ。

『リアル』ちゃんがなまじ実在の三次元だから、『加茂川マコト』という名前が「出町商店街」の看板を背負ってる、という事実を忘れてしまってたか気付いていなかったか…

で、そうなると「別Ver.」を生むしかない、ということまきPの行動も間違ってはいないんですよ。それもこれも、「加茂川マコトはことまきP所属の新人タレントです!商店街のマスコットガールとしてデビューしました!」…と最初に商店街側と協力してもっともっともっと全力でアピールしまくっておかなかった所為だと思うんですよ…
(アピールしても駄目だったかもしれないけど、可能性として)

…いや、よくよく見ると結構アピールはしているんですけど、それほとんどが「ことまきP公式サイト or ブログ」の中なんですよね。商店街に直接足を運んでる人や、『360°フル回転 今日も元気だ!出町っこBLOG』チェックしたり『出町Ver. 加茂川マコト』ちゃんのTwitterをフォローしてるだけの人には伝わってなかったよね…完全に「商店街の子」と思われてたよね……




ちなみに、「同じ萌えおこし」でもらき☆すたを代表とする「先にコンテンツありき」のものはまたちょっと違います。(最近のものは最初から聖地巡礼を狙ってる、とも言われていますが)既に一般&オタク人気、知名度のある作品・作家・キャラクターを起用してイメージキャラクターにするのもちょっと違います。
それは「既成作品・キャラクターの人気にあやかって便乗する系」です。

既にそのコンテンツ(キャラクター)自体に集客力がある場合は、どこで何に利用されても利用先のコンテンツだとは誰も思わないから混乱しないんです。




…もう、書いても書いても終わらないし、これでも三分の一まで削ったんだけど収拾つかないのでこれで一旦締めます。『出町Ver.加茂川マコト』ちゃんと『リアル加茂川マコトちゃん』に、幸あらん事を。


キモい&攻撃的なウチとは違って、とても読みやすいテキストを紹介。

『たまこまーけっと』と加茂川マコト、どうなる?出町商店街
実在看板少女のさがしかた様)


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田舎在住、旧時代のオタク。
コロナでアクティブオタクを続けていく事を半ば諦めかけていた所に、遂に家族の介護イベント発生。生き残りたい。
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